2017/7/25
|
|
それはありません |
|
よく「箏糸の寿命はどれくらい?」って聞かれます。 はい、絹糸は別としてテトロンなら弾かない限り切れることはまずないでしょう。 年十年放っておいても見た目は「生きて」います。 むしろ人の方の劣化が激しかったりww でも時間とともにテトロン繊維自体の伸び、糸撚りの緩みなどで音色は悪くなっていきます。 僕の経験ですと長くて1年くらいでしょうか、糸自体の音色の寿命って。 厳密に言えばもっと短いかもしれません。 また毎日お稽古をしてる人なら1年くらい経過する前に切れることが予想されますね(^-^; 流派の試験前だと毎日何時間も弾き続け、1~3か月に1度弾き切ってしまう方もいました。 もちろんタッチの強弱、爪の状態など個人差はありますよ。 さらに演奏家であれば頻繁に糸を張り替えることが常識で、常に良い音を保つ努力をされています。 うちでは新しい糸をかけた場合、切れたり寿命(音の)がきたりすると糸をひっくり返して張ります。 これを「天地」といいますが、プロの演奏家の多くは「新糸→新糸」が多いかな。 琴糸の絃長は実際に締めている状態の2倍以上はありますので、天地しても伸び切った部分とカブりませんから「新糸」と同じ状態になります。 それでも舞台に出すお箏には常に新糸を張っておきたいという心意気でしょうね。 え?前の糸はどうするかって? 多くはお稽古用のお箏に張り替えるんですけど、中には「処分して」っていう方もいらっしゃいました。 日本を代表する古典の名手でしたが、ずっと昔から絹糸を使ってたんでしょうね。 絹糸は龍尾に巻いてる状態で劣化していきますので天地はよろしくない、だから捨てるっていう。 その方はテトロンを使うようになってもずーっと新糸しか掛けませんでした。 芸に厳しい人で、僕に糸締めの何たるかを教えてくれた先生でもあります。 もう亡くなってしまいましたが本当にありがたい存在でした。 そんなわけで糸締めから年月経過してるお箏はチェックしましょう。 天地するだけで綺麗な音になりますよ(^^♪ そうだ!僕も逆立ちしてたら劣化から免れるかな~(^◇^) |
|